ハローワークや転職サイトでも人気が高い経理事務。
「仕事内容はあまり知らないけど、ちょっと経理になってみたいな…」
そう考えて転職を考える人も多くありません。
けれど、経理事務は向き不向きが大きく影響するのを知っていますか?
経理の知識を身につけて、転職も決まって、よし頑張るぞ!と実務に取り掛かってみたら……何か違う。
そうやって経理を辞めていった人を、今まで何人も見てきました。
なので、もしあなたが経理が気になっているのであれば、自分が経理に向いているいないのか。
ちょっとここで時間を取って考えてみてください!
一部上場企業とベンチャー企業の経験があります。
今まで新人教育なんかにも携わってきたので、色々ご紹介したいと思います。
経理は向き不向きがある職種
経理って地味です。
基本的に会社の利益は生まないで、会社の活動を数字でまとめる部署になります。
なので、ほぼデスクワークです。一日中書類を作ったり、電卓を叩いているような。
外出とかはあまり期待できません。
他部署から書類や数字の受け渡しがあるので、コミュニケーション能力はある程度必要です。
そして、仕事には決まった波があります。忙しい時には残業回避不可です。
…そんな感じの職種なので、経理には向き不向きがあります。
要するに、上記に上げた環境に耐えられるかどうかってことですね。
ざっくり雰囲気を想像してもらったところで、もう少し細かく向き不向きについて触れてみます。
一般論というよりは、今まで私が経理をやっていて感じた向き不向きになります。
経理に向いている人の特徴
1.繰り返しの作業、確認作業が好きな人
経理は基本的に同じことの繰り返しの作業になります。
毎日か毎月か毎決算かは仕事によって異なりますが、とりあえず繰り返しの作業です。
それと、数字が間違っていないかの見直しやダブルチェックの作業がとても多いのも特徴です。
感覚的にはテスト受けた時の見直しですね。あれを事あるたびにやる感じです。
なので、経理になると繰り返し作業と確認作業はほぼずっとあります。
もしその作業が大丈夫そうなら、あなたは経理に向いているかもしれません。
2.意外とコミュニケーション能力は必要
経理って一人で仕事進められるんでしょ?コミュニケーション能力いらないでしょ?
…っていう人がたまにいるんですが、違います。違うんです。
むしろ経理はコミュニケーション能力は必要だ!
そう主張しておきたい。
他部署と数字や内容を確認する必要があるし、自分がやっている仕事は経理全体の一部なので経理部署内のコミュニケーションも必要になります。
何よりも、間違っていけない仕事内容がほとんどなので、きちんと相手に意図を伝えたり、相手の意図をくみ取ったりする必要があります。
それと、報告、連絡、相談はめっちゃ大事。ほんと大事。
確かに、一人で作業する時間は多いんですが、1つの間違いで信用をなくすことだってあるので、コミュニケーション能力必要ないとか信じないでほしい。
3.基本的にはデスクワーク
ずーっと座りっぱなし。パソコンと電卓がお友達。そんな状況です。
そして視力が悪くなる人が圧倒的に多い。
気づいたら皆眼鏡…という状況になってるくらいには、パソコン作業多いです。
肩こりも多いですね。動かないので全身凝ってます。
なので、「私は外出したい!ずっと座りっぱなしは嫌!」という人は向いていないです。
結果、大人しくてインドアな人ばかりが経理に集まってくる部署に。
経理に向いていない人の特徴
向いている人は分かったけど、じゃあ逆に、向いていない人はどんな人?
と聞かれても大丈夫なように答えておきます。
1つ当てはまったから向いてない!と思わないで平気です。
「向いてないから、ちょっと考え方ややり方を工夫してみようかな…」と思えるのであれば問題ありません。
1.簿記を勉強しようとは思わない人
経理と簿記は切っても切れない関係です。
経理になりたいなら、簿記の知識は必須。
なので、経理になりたい!と言っておきながら簿記の勉強はしたくない…は、ちょっと別の職種を考えた方がいいですね。
過去に数字を見ると眠くなる…と言って、ことあるごとにトイレに寝に行った新人がいました。
当然ながら異動になりました。
もし経理に転職したいというのなら、日商簿記3級程度の知識は欲しいです。
ちなみに、日商簿記3級は「簿記の最低限の知識は知っている」という認識の会社が多いです。
2.確認作業や細かい作業に耐えられない人
向いている人のところで説明したので簡単に。
確認作業や、細々とした数字を出す作業がとても多い職種です。
なので、それに耐えられない人は難しいかもしれません。
3.評価されにくい環境が無理な人
経理は、営業みたいに会社の利益には貢献できません。
何回も言っているように、同じ仕事の繰り返しです。
同じ仕事の繰り返しなので…仕事の評価ってしにくいですよね。
「今月頑張ったって言っても、先月と同じ仕事だよね?」ってなりがちで、一定の評価を貰うことが多いです。
もし、会社で表彰してもらったり、成果を出して特別ボーナス貰ったりすることが最大のモチベーションなら危ないです。
会社ごとで違う経理の役割
あまり言及している人がいないのですが、経理、と言っても会社の規模によってやる仕事内容にかなり違いがあります。
会社規模の大きい会社なんかだと、経理業務に特化する傾向がありますね。
上場企業だとか、財務諸表なんかを公開している会社です。
こういう会社だと、朝から晩まで、経理!みたいな仕事で、監査法人のチェックも入ります。
決算業務もかなり忙しいところが多いです。
逆に、会社の規模が小さいベンチャー企業なんかだと、経理業務に付け加え総務、人事の仕事も兼任することが多いです。
むしろ、総務の人が経理の仕事してるなんてザラです。
その代わり、正確性は大企業なんかと比べるとかなり適当…。
転職した際にびっくりしたんですが、プリンターも家庭用で対応していたし、きっちりやっていた簿記がグレーゾーンいっぱいでした。
なので、1つの会社を経験して「経理向いてないな」で終わらせないで、できることなら複数の会社で働いてみても良いと思います。
経理向いている人、向いていない人まとめ
この記事のまとめ
経理に向いている人の特徴
- 繰り返しの作業、確認作業が好きな人
- 意外とコミュニケーション能力は必要
- 基本的にはデスクワーク
経理に向いていない人の特徴
- 簿記を勉強しようとは思わない人
- 確認作業や細かい作業に耐えられない人
- 評価されにくい環境が無理な人
今回は私の今までの経験をもとにまとめてみました。
最後にお伝えした通り、経理と一言で言っても会社によって立場がちょっとずつ違います。
「経理ってこう!」とガチガチに考えを固めてしまうよりは、思い切って挑戦してみるのも一つの手かもしれません。
ただ、経理やりたいなら簿記の勉強はしといた方がいいです。